【臨床各論】 整形外科疾患
  1. 1回の外力により起こる。
  2. ドケルバン病は手関節撓側に起こる。
  3. 槌指の原因である。
  4. 局所の発赤を認める。
答:【2】
2. ドケルバン病は手関節撓側に起こる。

ドケルバン病は、腱鞘炎の一種で手関節の橈骨側にある腱鞘(長母指伸筋と長母指外転筋の腱鞘)とそこを通過する腱に炎症が起こった状態。腱鞘の部分で腱の動きがスムーズでなくなり、腫脹と疼痛が見られます。とくに母指を広げたり、動かしたりするとこの場所に強い疼痛が走ります。

フィンケルスタインテストで陽性になります。※母指を写真のように小指側に牽引し、手関節と母指を小指側に曲げる。
そのときに青いマルの部分に疼痛が起こると陽性。


①短母指伸筋腱 : 母指の第2関節を伸ばす働きをする腱の1つです。
②長母指外転筋腱 : 主に母指を広げる働きをする腱の一本です。
③腱鞘 : ①と②の腱が通るトンネルです。

ちなみに腱鞘炎には他に、指の付け根の屈筋腱の腱鞘や腱の炎症により指が屈曲位のまま伸びなくなったり(ロッキング現象)、引っかかる「ばね指」もあります。


1. 1回の外力により起こる。
1回の外力ではなく、くり返す運動によるものです。

3. 槌指の原因である。
槌指は指の第1関節が木槌のように曲がった状態になるので、マレット変形と呼ばれます。マレット変形のなかには、伸ばすスジ(腱)である伸筋腱が伸びたために生じるものと第1関節内の骨折が生じて起こるものがあります。「つき指」ですね。腱鞘の炎症ではありません。
第1関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自動伸展は不能で自分で伸ばそうと思っても伸びません。
しかし、他動伸展は可能で手伝って伸ばすと伸びます。

4. 局所の発赤を認める。
腫脹と疼痛は見られますが、発赤は見られないのでしょうか…。
発赤が見られると記載されているものもありますが、選択肢としては、「ドケルバン病は手関節撓側に起こる。」が1番あてはまるという事だと思います。テスト問題ってモヤッとするものありますよね。

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