【解剖学】 門脈・体循環
  1. 肝静脈
  2. 腎静脈
  3. 臍傍静脈
  4. 上行腰静脈
答:【3】
3. 臍傍静脈

この問題の「門脈-体循環吻合」とは「門脈系」と「体循環系」の血管どうしが相互に連絡されていることを指す。
吻合している箇所は、
食道付近→胃冠状静脈と奇静脈に注ぐ食道静脈が吻合
腹壁→臍傍静脈と腹壁の皮静脈(下腹壁静脈、浅腹壁静脈など)が臍の周囲で吻合
直腸付近→下腸間膜静脈へ注ぐ上直腸静脈が吻合
である。この経路は、正常時には機能的な意味を持たない。

しかし、門脈圧が亢進するとこの経路が側副循環路をなして、うっ血した門脈血を大静脈に還流させるようになる。
これらの側副静脈に大量の血液が流れると、食道静脈瘤・腹壁の皮静脈の拡張(メデューサの頭)・痔核などが出現する。

血管系では通常
心臓→動脈→毛細血管網→静脈→心臓と血液が流れる。

門脈-体循環では図のように
心臓→動脈→毛細血管網(1)→静脈(1)→毛細血管網(2)→静脈(2)→心臓となる。
2つの毛細血管網を結ぶ静脈(1)を特に門脈と呼ぶ。

門脈(肝門脈)は胃から直腸上部までの消化菅(上・下腸間膜静脈)膵臓(胃静脈)および脾臓(脾静脈)からの血液を受け、消化管で吸収された栄養分を肝臓に運ぶ極めて重要な血管である。


1. 肝静脈
肝臓の血管ということで紛らわしいが、肝静脈は肝臓から出て下大静脈に流入する。体循環吻合は無い。

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