【臨床各論】 神経疾患
  1. バレー徴候
  2. ロンベルグ徴候
  3. ラセーグ徴候
  4. ケンプ徴候
答:【1】
1. バレー徴候

バレー徴候(Barre徴候)とは、軽い上肢の麻痺を判定する錐体路障害の検出方法である。
脳梗塞による麻痺ということは錐体路障害であるためバレー徴候が陽性となる。
手のひらを上に向けて両上肢を「前にならえ」のように前に伸ばした状態で目を閉じたときに、麻痺がある側の上肢が軽く回内して落ちてくると陽性である。
バレー徴候の検査には上肢と下肢の2つがある。上肢は、下の画像。
下肢の検査は、うつ伏せになってもらい、両膝関節を両側が接しないように90度、または45度曲げて維持。錐体路障害がある場合、麻痺側の下腿が下降する。
下肢のバレー徴候は軽度な錐体路障害でも検出でき有用であるが、それ以外にも下肢の末梢神経障害、筋力低下や深部感覚の異常によっても下腿は落下して陽性となってしまう場合があるので注意。


2. ロンベルグ徴候

ロンベルグ試験(Romberg’s test)は、深部位置覚の障害の検出方法である。脊髄後索・後根を侵す疾患、たとえば脊髄癆などでは陽性になる。錐体路障害の所見ではない。

3. ラセーグ徴候
ラセーグ徴候とは、仰向けになり下肢を伸展させたまま上げようとした際に、大腿後面と膝下が痛み、それ以上足を挙上できない状態を指す。この状態が出現することを、ラセーグ徴候陽性という。
これは、臀部の筋の収縮により、坐骨神経が圧迫されることによって起こる。陽性だった場合には椎間板ヘルニアなどが疑われる。錐体路障害の所見ではない。

4. ケンプ徴候
ケンプ徴候は、腰椎を後側屈させた際に下肢へ放散痛が出現する場合に陽性となる、神経根の圧迫の有無を検出する疼痛誘発テストです。腰部椎間板ヘルニアなどで陽性になる。錐体路障害の所見ではない。

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