【臨床各論】 膵疾患
  1. 胃潰瘍
  2. 胆嚢炎
  3. 慢性膵炎
  4. 潰瘍性大腸炎
答:【3】
3. 慢性膵炎

慢性膵炎は、炎症により膵の繊維化と膵実質の破壊が徐々に進行する疾患です。アルコールのよるものには中年男性に多いが、特発性では男女差はない。アルコール性が68%と最も多く、次に原因不明の特発性20.6%、 胆石性3.1%と続きます。みぞおちや背部の痛みで始まり、この鈍い痛みが長期間にわたり断続的に続きます。
膵臓の細胞が障害を受けたり、破壊されると血液中のリパーゼの量が増えるため、膵炎などの膵臓の病気を調べる重要な検査となっています。
リパーゼはアミラーゼと同じような変動を示しますが、アミラーゼが膵臓以外の唾液腺の以上でも上昇するため、膵臓疾患を検知するにはリパーゼの方がより高い特異性を示します。

血清アミラーゼと血清リパーゼの組合せ
アミラーゼ リパーゼ 疑われる疾患
高値 高値 急性膵炎、慢性膵炎の急性憎悪、膵癌、腎不全
高値 正常~低値 耳下腺炎、マクロアミラーゼ血症、婦人科疾患
正常~低値 高値 急性膵炎、アルコール性慢性膵炎の急性憎悪
正常~低値 正常~低値 健常者、膵癌や各膵疾患の末期、
 肝硬変、糖尿病、高脂血症



1. 胃潰瘍
胃潰瘍では、アミラーゼ・リパーゼの上昇は見られない。

2. 胆嚢炎
胆嚢炎では、炎症所見(赤沈亢進・白血球増多・CRP高値)と高ビリルビン血症が見られることが多い。アミラーゼ・リパーゼの上昇は見られない。

4. 潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎では、アミラーゼ・リパーゼの上昇は見られない。

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