【臨床各論】 血液・造血器疾患
  1. 鉄欠乏性貧血
  2. 巨赤芽球性貧血
  3. 溶血性貧血
  4. 再生不良性貧血
答:【1】
1. 鉄欠乏性貧血

低色素性貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が減少している貧血。色素指数 (血色素と赤血球数との比) が 0.9 (または 0.85) 以下の貧血をいう。鉄の欠乏などによるヘモグロビンの産生障害が疑われる。鉄欠乏性貧血が代表的で、そのほか失血性貧血・鉤虫症・萎黄病・バンチ病・食事性貧血・続発性貧血などがある。一般に鉄剤が効果を示す。
鉄欠乏性貧血は、赤血球成熟障害による貧血ですね


2. 巨赤芽球性貧血
巨赤芽球性貧血は、細胞の核の成熟に必要なビタミンB12、葉酸が欠乏して起きる貧血。核酸代謝に異常が生じるため赤芽球の成熟が障害され「巨赤芽球」となってしまい造血が完了しない。その結果、大球性正色素性貧血を起こす。巨赤芽球性貧血の内、自己免疫機構によって生じる貧血が悪性貧血である。
巨赤芽球性貧血は、赤血球成熟障害による貧血ですね

3. 溶血性貧血
溶血性貧血は、何らかの原因で赤血球が壊れてしまい起きる貧血の総称。赤血球自体に原因のあるものと、赤血球以外に原因のあるものがある。正球性正色素性貧血である。
溶血性貧血は、赤血球寿命の短縮による貧血ですね

4. 再生不良性貧血
再生不良性貧血は、多能性幹細胞の障害が原因となって骨髄の低形成・末梢血液の汎血球減少(赤血球・白血球・血小板の減少)をきたした病体の正球性正色素性貧血。そのため、白血球減少による易感染や血小板減少による出血傾向が起きる。再生不良性貧血は、骨髄での赤血球産生障害による貧血ですね

貧血の赤血球とヘモグロビンの状態による分類
赤血球のサイズ
大球性 普通よりも大きい
正球性 普通の大きさ
小球性 普通よりも小さい
ヘモグロビン濃度
正色素性 血液中のヘモグロビン濃度が正常
低色素性 血液中のヘモグロビン濃度が低い

小球性低色素性

鉄欠乏性貧血

正球性正色素性

再生不良性貧血
溶血性貧血

大球性正色素性

巨赤芽球性貧血

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