【病理】 病因
  1. 血友病
  2. 大腸腺腫症
  3. エドワーズ症候群
  4. マルファン症候群
答:【1】
1. 血友病

血液凝固因子(第Ⅷ・Ⅸ因子)の先天性欠乏によって出血傾向を起こす先天性疾患。伴性劣性遺伝で男性のみに発症し女性では保因者になる。


2. 大腸腺腫症
家族性大腸腺腫症(大腸ポリポーシス)は、第5番目染色体上にあるAPC遺伝子の変異で起こる優性遺伝疾患とされている。優性遺伝なので、両親のどちらかにAPC遺伝子の異常がある場合、理論上は男女の区別なく50%の確率で遺伝する。

3. エドワーズ症候群
エドワーズ症候群は、18トリソミー。女性:男性=3:1で女性に多い先天性疾患群です。

4. マルファン症候群
マルファン症候群は、常染色体優性遺伝で性差はありません。おおよそ75%は親からの遺伝、25%は突然変異で発症しています。


常染色体優性遺伝
突然変異によるものもあるが、両親のどちらかが患者であれば、その子どもは50%の確率で同じ表現型を示し、病気になる可能性があります。常染色体優性遺伝病の場合、各世代に発病者が認められ、世代の飛び越しがないことが原則です。
しかし、実際に家系調査をすると、ある程度の割合で飛び越し現象がみられます。遺伝子型Aaの人を分母にし、実際に発病した人を分子とした値で浸透度を表すことができます。DNAにメチル基(CH3)が付くと遺伝子の発現が抑えられます。遺伝子型Aaであれば発病することが予測されますが、DNAのメチル化による変異遺伝子の不活化など、何らかの原因で発病しない場合があります。このような現象を「不完全浸透」と呼んでいます。

常染色体劣性遺伝
変異のある対立遺伝子が2つ揃って初めて発病します。ヘテロ接合の状態では発病せず、保因者になります。
両親がヘテロ接合の保因者の時、その子どもがホモ接合になって発病する確率は25%です。逆にいえば、患者さんの両親は保因者と考えることができます。したがって、患者さんの兄弟姉妹は同じ病気になる可能性が25%であるということです。

伴性劣性遺伝(X連鎖遺伝)
X染色体に存在する遺伝子に関係するため、男子と女子で異なる発症率を示す特徴があります。
父親のX染色体上の遺伝子は娘に伝えられますが、息子に伝わることはありません。一方、母親はX染色体を2本もっていますが、子どもが男児であろうと女児であろうと、どちらかのX染色体上の対立遺伝子を伝えることになります。
X染色体上の野生型対立遺伝子をXAとし、その変異型遺伝子をXaとすると、男性が変異遺伝子Xaを受け継ぎ、Xaの遺伝子型になった場合、Xa自身は劣性遺伝子であっても、X染色体が1本のヘミ接合のため、その影響を反映して発病することになります。そのため、X連鎖劣性遺伝病の患者はほとんど男性です。
女性の遺伝子型はXAXAが正常、XAXaは保因者になり、通常は発病しません。XaXaでは、劣性遺伝子のホモ接合であるため男性と同じように発病しますが、父親が遺伝子型XaYの患者である条件を満たす場合に限られるため、実際は極めて少ないといえます。ただ、女性の2本のX染色体のうち1本は機能を停止し、不活性化した状態にあることが原因になって、XAXaの女性でも軽症で発病することがまれにあります。

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